六話

 

 

間違いない。彼の股間は一目見てわかるほど膨らんでいる。
( ……
)
あれだけ彼と繋がることを望んでいたのに、急に不安になった。
今だけは気付かないふりをした方がいいのかもしれない。何故だかそんな気がして、彼から離れようとした。

「うあっ!?

だけど逆方向に引き寄せられ、むしろ強く抱き締められてしまう。その際酒臭い息が当たってウッとなった。
「一季……可愛いな」
「ちょっと、叔父さん……? ひあっ!
腰周りを服の上から撫でられる。くすぐったくて悶えた。何とか逃れようとしたけど、彼の指は後ろへ回って、中心の割れ目にくい込んでくる。

「すっかり大人になって……良い身体になったね」
「えっ!?

聞き間違いかと思ったけど、彼の上に倒れたままズボンと下着を脱がされてしまった。彼からは何も見えないけど、ひんやりした空気がお尻に当たってビクっとする。
「ちょっと、叔父さん? 酔ってるの?
そうに決まってる。でなきゃ、頑なに関係を拒んでいた叔父がこんなことをするはずがない。
それに何故か怖くて、今は彼から離れたかった。しかし抵抗も虚しく、今度は床に押し倒されてしまう。腰を高く持ち上げられ、そのせいで剥き出しになった性器が宙ぶらりんになった。
「やっ、見ないで!
いくらなんでも、そこまで心の準備はしていない。それなのに突然下半身を裸にされ、性器を見られている。羞恥心で涙が出た。
「一季……
「あっ!!
身体を折り曲げられ、彼の顔にお尻が当たってしまった。どうしよう、今日はお風呂入ってないのに。
「大人になってから初めて見たけど、思ったとおり柔らかくて……綺麗だ」
肛門にぬるりとしたものが当たる。見ると、それは叔父の舌だった。どんどん彼の唾液でぬれていく。
彼と繋がりたいから、ひとりで解していたこともある。でもいざ触られると必要以上に力が入ってしまう。彼を拒むように、その入口は固く閉ざしていた。
「んぅっ!
今度は指で引っ張られ、中を広げようとしてきた。

「お、叔父さん……っ」
「すごい。見えるよ、一季の中」

硬い何かが潜り込んできた。
「ぃあぁ……!
指だ。彼の熱い指が、尻に入ってる。
痛くて怖くて戦慄した。力を入れ過ぎたお腹も痛い。
でももう片方の手で抱き寄せられ、優頭を撫でられると動けなくなる。脚を開いてることはすごく恥ずかしいけど、彼の腕に包まれている感覚は例えようもなく幸せだった。
「小さな口だね。もうちょっと広げてみようか」
「ん、苦しい……っ」
痛いし、お腹が変だ。自分で入れた時とちょっと違う。
怖いけど、その先の何かを……大口を開けて待ってるようだ。

「すごいよ、もう二本も入った。……自分でもよく弄ってたの?
「ん、うん……
「そっか。エッチな子だね」

指が一番奥を擦る。そのたびに引き攣った痛みとどうしようもない快感が交差して、喘ぎ声を出さずにいられなかった。
性器を触られてないのに、まるでイッてしまったような感覚。これって……

「一季、中でイッてる?

指を引き抜かれ、また中を食い入るように観察された。イッてる……ってことになるんだろうか。さっきからずっと、腰の痙攣は止まらないけど。
「叔父さん……も、指はやだ」
「指は、ってことは他なら良いの?
いちいち焦らしながら問い掛けてくる。誘導尋問にしか思えないけど、この快感の正体を知りたくて頷いた。

「待っ……、叔父さんの……熱くて硬いもの、欲しい」

こんなこと言っちゃいけない。
そう思うけど、何年も無理に押さえつけていた感情は爆発的に強くなってしまった。
ただ彼が「欲しい」んだと強請って、腰を振って、自分からそこを広げた。抱いてもらいたい一心で、彼の立場も考えずに。

だから、俺が全部悪い。

……あぁっ!!

彼の顔を近付いてきたと同時に、張り裂けそうな衝撃を後ろに感じた。
生温い液体が焼けるような痛みを和らげ、徐々に全体を濡らしていく。恐らく彼の先走りだろうけど、今は有難いぐらいだ。

「一季……俺の可愛い一季」

叔父さんの目は虚ろだ。絶対まだ酔ってる。
でも構わない。俺の中に彼が入ってるって、それさえ感じられたら充分なんだ。
互いの性器が擦り合ってる。
想像していたよりずっと痛いし、ずっと太くて硬いし、息をするのもやっと。けど彼と呼吸を合わせることが嬉しい。

「叔父さん……ん、あ、あぁっ!!

何度も中を突かれた。時間や回数を気にする余裕はない。どうすることもできずに彼にすがりついて、気を失うまで喘ぎ続けた。